2010 年ごろまでは 80 %を超えていたブラジルの水力発電比率は、近年は 60~65 %程度にまで低下した。 水力一辺倒で、雨が少ない年に電力不足をきたして苦しんだ経験があるブラジルが、電源の多様化を進めてきた結果である。 近年増えてきたのはバイオマス、風力、太陽光の三つで、2019年には、三者合わせてた比率は 18.3 %に達し、化石燃料をはるかに凌いでいる。
このうち、バイオマスは、おもにバガスとよばれるサトウキビの搾りかすである。 砂糖およびバイオエタノール工場は、バガスを燃やして自分の工場で使う電力をまかなっているが、余った分は売電する。 サトウキビが成長するときに二酸化炭素を吸収するので、バガスは燃やしても差引二酸化炭素が増えることのないクリーンな再生可能燃料とみなされている。
ブラジルにおけるこれら三者に水力を加えた比率、すなわち再生可能(自然エネルギー)電源の比率が約 82%と高率であることは注目に値する。 日本の再生可能電源比率は太陽光の増加で増えつつあるが、まだ 18.5%(2019年)である(-_-;)。
資料:EPEーEmpresa de Pesquisa Energética編: Anuário Estatístico de Energia Elétrica 2011、2014、2018、2020年版
テーマ 32. ブラジルの"風"景 P.11 の資料