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Sugarcane fields and Usinas in southern half of Brazil

ブラジル南半部のサトウキビ栽培地と砂糖エタノール工場

 現在のブラジルにおけるサトウキビ生産とバイオエタノール生産は、サンパウロ州が 圧倒的であるが、ミナスジェライス、ゴイアス、マトグロッソ、マトグロッソドスールなどの 内陸の州へもひろがっている。
 サンパウロ州におけるサトウキビ栽培と砂糖生産は、植民地時代の初期(16~17世紀) には、サントス近郊のサンヴィセンテ市など海岸地域が中心であった。砂糖ブームが過ぎた18世紀には ミナスジェライス州を中心としたゴールドラッシュ(黄金ブーム)が到来する。資源枯渇でこのブームが 斜陽になった18世紀末ごろ、ミナスジェライスへの通り道にあたる州内陸部のカンピーナスなどでサトウキビ栽培が 始まるが、それが本格的になるのは、19世紀のコーヒーブームが頭打ちになった20世紀はじめである。 カンピーナス、イツー、モジグアスー、ピラシカーバなどの地域を中心に、北ではリベイロンプレート 地域にも、無数のサトウキビ農場(エンジェーニョ)が出現した。多くは、イタリア人移住者がアグアルデンテ (ピンガ酒)をつくるために設立したものであるが、第一次世界大戦のあと、ヨーロッパの砂糖ダイコンの 製糖業が崩壊して砂糖の国際価格が上昇すると、砂糖の製造に転換し、ここに大きな製糖地域が成立した。 ここを核として、州の北部や西部、内陸の諸州へにサトウキビ栽培地域が拡大したのは、 国家アルコール計画が始まってからのことである。
図の出典:ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)作成の原図を国立水資源庁(ANA)・環境省 (MMA)(2017): Levantamento da cana-de-açúcar irrigada na região centro-sul Brasil, p.15.から引用。
参考文献:Machado, F. de B. P. (nd): Brasil, a doce terra. (https://www.agencia.cnptia.embrapa.br/Repositorio/historia_da_cana_000fhc62u4b02wyiv80efhb2attuk4ec.pdf)
PanoraGeo-No.485b 直前のページに戻る