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randum
![]() ![]() ![]() 筑波山はなぜ目立つ 11 BACK⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る |
筑波山研究路を時計回りに歩き始め、男体山南面谷頭部急斜面のトラバース(横断)を終えると、
男体山頂から南西に伸びる尾根の上に出る。やや幅があり穏やかな尾根で、落葉樹林に覆われている。
ブナ林であるが、ブナだけではなく、ミズナラ、アカシデ、アオハダなども生えている。
この写真左手前にある幹に縦縞がある木などはブナではない。
2008 年から 10 年にかけて筑波山で実施されたブナの毎木調査では、約 7000 本のブナの存在が確認された*1)。
一般に、筑波山では山頂部の標高 700m 以上をブナ帯と言うが、それ以下にもブナの木は多数分布し、
下限はほぼ 550m である(参考資料:筑波山におけるブナ林の分布)。 筑波山のブナ林の衰退が心配されており、上記の調査もその保全対策を考える基礎資料を得る目的で行われた。 筑波山のブナ林は2万年ほど前の最終氷期最盛期には低地にまで広がっていたが、後氷期になって気候が温暖になるに つれて涼しい山の上だけに残るようになったもので、レリック(生き残り)植生と呼ばれる。 筑波山のブナ林には老齢の大木も多く、それらは結構元気である。問題なのは若木・稚樹・実生が 少ないことだという*2)。 高齢化社会日本を見ているようだ。この写真にあるようなササの繁茂もブナの繁殖の妨げとなっているが、 昨今における気候温暖化もその原因のひとつと言われる。 温暖化が起きても、高い山のブナなら高い所に移って行けるが、低山の筑波山にはブナたちの逃げ場がない。 参考文献: *1) 小幡和男・田中信行:筑波山におけるブナ・イヌブナの毎木調査に関する報告書 *2) 太平洋型ブナ林では何故、実生や若木が少ないのか? 2022年11月25日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):+36 13 31.95, +140 5 49.72 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 255° |
PanoraGeo-No.663
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