パラグリ(ブラジルナッツ)の実はアマゾン森林の住民にとって貴重な食料であるとともに現金収入源である。
パラグリの木は 30~40m もある高木で、熱帯雨林の他の木々と同じく、下枝がなく頂の近くだけに枝葉を張っている。
パラグリの実はそのように高いところに生るので、いちいち登って行って収穫するわけにはいかない。ひとりでに落ちるのを待って拾うしかない。
実が落ちるのは主に雨が多い 10~11 月から翌年の3~4月までで、収穫期もこの季節になる。
森の住民のもう一つのおもな仕事であるゴムの樹液採集は雨の少ない季節の仕事なので、仕事が重なることがなくて好都合である。
パラグリの実はスコールに伴う強風で落ちてくることが多い。むかしの住民はパラグリの木が群生しているところに小屋をつくり、その中でスコールが過ぎるのを待つ。
10 数個のパラグリが入った直径 10~15㎝ の硬い実の重さは2kg近くある。その直撃を受ければ命にかかわるのでそれを避けるための小屋である。
今どきのパラグリ採取人にはヘルメットが必需品である。
図の出典 IBGE(ブラジル地理統計院)(1975):Tipos e Aspectos do Brasil, p.23
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