直前のページに戻る |
シコメンデス採集保護区(現地名:Reserva Extrativista Chico Mendes)は
ブラジルのアマゾン地方南西部のアクレ州にある自然保護区である。面積は 9315 平方 km で、日本の
四国の半分くらいある。その名はアクレ州シャプリ市を拠点に活動した環境保護活動家
シコ・メンデスにちなんでいる。彼は、1970~80年代、牧場化の進展で圧迫される地元ゴム採取人の生活を
守るために戦い、国際的にも高く評価された。1988年にはアクレ州最初の採集保護区の設定を求める運動に
も参加したが、その年の末、反対勢力の刺客によって暗殺された。シコメンデス採集保護区の発足は、
彼の死から1年余りたった 1990 年3月である。 採集保護区はブラジルにあるさまざまなタイプの自然保護区一つで、自然の持続可能な利用と地元住民の 生活と伝統的文化の維持を目的としている。保護区内の住民は森林資源の採集をはじめ自給的な農業や 小規模な家畜の飼育が可能である。 シコメンデス採集保護区の住民は、自給農業と家畜の飼育のほか、天然ゴムとパラグリ(ブラジルナッツ)の 採取などをおもに行っている。ここで生産された天然ゴムの一部は、シャプリ市にある世界唯一の 天然ゴム製女性用コンドーム工場に出荷されたり、靴底用にフランスの製靴工場に出荷されたりしている1)。 国道 317 号線は、アマゾナス州のボカドアクレとペルー国境のアシスブラジルを結ぶ延長 490㎞ の国道で、 その南部半分が大洋間横断道路の役割を果たしている。その沿線はシコメンデス採集保護区の指定地域外なので 牧場化が顕著である。 1)ICMBio: Reserva Extrativista Chico Mendes(ポルトガル語) |
(テーマ 41:アマゾンとアンデスを結ぶ 大洋間横断道路 P.3で使用) | 直前のページに戻る |