南アメリカ大陸の西のへりを南北にのびるアンデス山脈の西の麓、すなわち太平洋岸に臨む海岸地帯は、
ペルーからその南のチリ北部にかけて砂漠が続いており、ペルーの部分はペルー砂漠、チリの部分は
アタカマ砂漠とよばれる。写真はペルー砂漠でみられた砂丘である。砂丘とは風で運ばれた砂が
堆積してできた丘であるが、砂の供給量や風の状況でさまざまな形のものができる。この写真は
バルハンというタイプの砂丘で、砂の供給量が比較的少なく、一定方向に強い風が吹くという条件の
ところにできやすいタイプである。では、ここで問題をもう一つ:「この地域で強く吹く風の向きは?」
・・・。答えはバルハン砂丘の形から判断できる。バルハン砂丘は、写真でこちらを向いている三日月形の
急斜面とその裏側にある(写真では見えない)緩斜面からなっている。風によって緩斜面を少しずつ
押し上げられた砂が頂上に達してたまると一気に崩れ落ちる。急斜面はこうしてできた安息角の斜面
といわれるもので、30 度前後の傾斜をもっている。つまり、急斜面がある方が風下ということなので、
風は向こうから手前やや左向きにに吹いていることになる。下記のデータの通り、この写真は南に
向いて撮影したものなので、答えは「南風」、より正確には「南南西の風」である。南太平洋高気圧の
東のへりにあたるこの地方の卓越風は南風である。
1981年7月7日撮影
カメラの位置 (緯度,経度):-9 38 8.17, -78 15 33.36 (Google Map)
撮影方向:北から時計回り 180°
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