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穿入蛇行

穿入蛇行について

 土地の隆起などによって蛇行河川が若返り(Rejuvenate、回春ともいう)、すなわち侵食力を取り戻して河床を掘り下げる(下刻<かこく>する)ようになった場合、川は蛇行を保ったまま深い谷をつくり、穿入蛇行(Incised meanders)になる。 穿入蛇行は、掘削蛇行(Intrenched meanders、図 A)と生育蛇行(Ingrown meanders、図 B)に分けられる。 両者のおもな違いは、掘削蛇行はもっぱら下刻によってできるのに対し、生育蛇行は下刻とともに側刻(川岸方向への侵食)が生じてできる地形である。この場合の側刻は、蛇行の幅を広げる方向(図の左右方向)に行われるとともに、下流方向へも行われる。 蛇行の幅を広げる側刻の結果、生育蛇行の蛇行山脚(図の点線)は付け根から先端に向かって低下し、その対岸には攻撃斜面という急斜面(図のus)ができる。 下流方向への側刻の結果、生育蛇行の蛇行山脚は上流側(図の x)で急傾斜、下流側(図の Y)で緩傾斜になる。 掘削蛇行は下刻が急速に進む状態で生じ、生育蛇行は下刻が緩慢な場合にできるといわれるが、もちろん、両者の中間形態も存在しうる。

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