リオデジャネイロ州(南岸)とミナスジェライス州(北岸)の境を流れるパライバドスール川の中流部の5万分の1地形図(IBGE:ブラジル国土地理統計院発行)のAlém Paraíba(アレンパライバ) 図幅1)と
Cantagalo (カンタガーロ)図幅2のそれぞれ一部をつないだもので、メッシュの一辺は2㎞、等高線間隔は 20m である。
断層線に沿う直線的な流路のパライバドスール川が西南西から東北東へ流れ、その両岸には、比高 100m 前後のハーフオレンジが集まったマールデモロス(「丘の海」という地形)がひろがっている。
ハーフオレンジ(ブラジル語ではメイアラランジャ Meia Laranja)はまだしも、マールデモロスという地形名はブラジル以外の地理の本にはほとんど出てこない。
この語は 1929 年にブラジルを訪れた著名建築家ル・コルビュジエが使ったのが始まりで、1935 年にサンパウロ大学に地理学教室を創立したフランスの地理学者ピエール・デフォンテインが、ブラジル熱帯大西洋岸における地形形成の特徴を記述する際に、ハーフオレンジなどとともに使用している。
マールデモロスがブラジルの湿潤熱帯森林地域でもっともポピュラーな特徴ある地形なので、このような術語が必要なことは、たとえば、ミナスジェライス州南東部の Cataguases(カタグアゼス)図幅3)を見ただけでも納得できよう。
(注意:以下3つの地形図のサイズは 20~25MB あるので、ダウンロードに2~3分必要なことがあります)
1) アレンパライバ図幅
2) カンタガーロ図幅
3)カタグアゼス図幅