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コルンバ付近におけるパラグアイ川の水位と降水量の年変化

コルンバ付近におけるパラグアイ川の水位と降水量の年変化

Annual changes in water level and precipitation of the Paraguay River
in the vicinity of Columbá

 ラダーリオとコルンバは、市街地がほとんど連接した都市なので、上の図と下の図は同一地点の資料とみなしてよい。 パラグアイ川の水位の年変化を示す上の図で、長年の平均を示す青色の破線によって、普通の年では、最高水位は6~7月、最低水位は 12 月に現れることと、その水位差は約 2.5m であることがわかる。 ただし、例として挙げた 2007 年や 2008 年(黒い太線)のように、水位差が5m を超すこともある。
 月降水量の年変化を示す下の図の平年値を示す折れ線グラフによると、コルンバで雨が最も多い月は1月、最も少ないのは6月から8月である。 このような雨の降り方はパラグアイ川の流域全体でもほぼ同じである。 上下の図を比べると、コルンバにおけるパラグアイ川の水位のピークは6~7月、流域の降水のピークは 12~1月で、両ピークの間に約半年のずれがあることがわかる。 普通の流域では、降水量のピークと川の水位のピークはほぼ一致するのに、パラグアイ川の場合には水位のピークが降水のピークより半年も遅れて現れるという特殊な状況である。 その原因は、流域に降った雨が無数にある湖沼や湿地に留め置かれてすぐには流出してこないこと、すなわち、パンタナール湿地が天然の巨大な遊水地の役割を果たしているためである。

原図:Soares, M. T. S. et al. (2008): Monitoramento do Comportamento do Rio Paraguai no Pantanal Sul-Mato-Grossense – 2007/2008. Comunicado Tecnico 72, Embrapa Pantanal.(ポルトガル語)の図1と図2を編集。

テーマ 39. 野鳥の楽園パンタナール P.15 の資料

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