●TAS(Total Alkali Silica)ダイアグラム:
主に火山岩の化学組成分類に用いるダイアグラムで、横軸に二酸化珪素(SiO2)含有率、
縦軸にナトリウム酸化物(Na2O)とカリウム酸化物(K2O)を合わせた含有率
(アルカリ成分含有率)をとる。
これによって、アルカリ岩質の火山岩まで表示できる。前世紀末ごろから普及し始めた。
●アルカリ岩:ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属元素を多く含む火成岩。
主なアルカリ岩質火山岩には、二酸化炭素含有率が珪長質(白っぽい)の粗面岩、
中間質(灰色)の響岩、超苦鉄質(黒色)の霞岩などがあり、それらの間に位置する粗面安山岩、
アルカリ玄武岩、バサナイトなどもある。日本などに見られる普通の火山岩は非アルカリ岩である。
アルカリ岩は、マントル深部からの上昇流(プルーム)起源のマグマが噴出するホットスポットの火山に見られることが多い。
●フェルナンドデノローニャ諸島の火山岩:レメジオス層(第一期火山活動の産物)の岩石の化学組成は、
このTASダイアグラム上ではオレンジ色の範囲に、キシャバ層(第二期火山活動の産物)は緑色の範囲に分布している。
フェルナンドデノローニャ島の火山岩はすべてアルカリ岩であることがわかる。
レメジオス層の岩石は広い分布を示すが、粗面岩や響岩など珪長質~中間質の岩石が主体である。
一方、キシャバ層の岩石は超苦鉄質のアンカラトライト(かんらん石霞岩)などの霞岩が主体である。
図の出典 Magini,C.et al.(2022):Genesis and evolution of the Fernando de Noronha mantle plume. の Fig.8 を参考に作成。
テーマ 19. フェルナンドデノローニャ島 P.4 の資料 |