宇都宮芳賀ライトレール線停留場:①宇都宮駅東口 ③駅東公園前 ⑥宇都宮大学陽東キャンパス ⑦平石 ⑨飛山城跡 ⑪清原地区市民センター前 ⑬ゆいの杜西 ⑱かしの森公園前 ⑲芳賀・高根沢工業団地
宇都宮芳賀ライトレール線は鬼怒川低地以外、高低さまざまな台地を通過するが、それらはすべて鬼怒川の河岸段丘面である。
(1) 田原(たわら)段丘面:宇都宮市内を流れる田川の左岸(東岸)で③駅東公園前停留場の先までひろがるが、この段丘面をつくる段丘堆積物は、田川ではなく鬼怒川のものである。2万年あまり前の鬼怒川はここを流れていた。その後鬼怒川の流路は現在の方に変わり、残された旧流路を田川が掘り込んで低い段丘面になった。南関東の段丘の立川面(おそらくTc2面)に対比される段丘面である。
(2) 宝木(たからぎ)段丘面:駅東地区の国道4号から⑥宇都宮大学東陽キャンパス近くまでひろがり、田原段丘面より若干高い。
昔は、田原面は水田、宝木面は畑や森林であった。この段丘面は南関東の武蔵野面(M面)に対比される。
(3) 最低位段丘面:⑦平石停留場と⑧平石中央小学校前停留場がある低い段丘面で、鬼怒川の低地より2~3m高い。
水は得やすく鬼怒川の水害は受けにくいという水田には最高の条件なので、昔から水田が多く、農村集落が密に分布していたところである。
(4) 上欠(かみかけ)段丘面:宝積寺台地の一部ではあるが、他より若干高く火山灰層が厚い飛山城の台地は、地学的には上欠段丘面という地形面に区分される。
上欠段丘の標識地は JR 日光線の宇都宮と鹿沼の中間にある上欠町付近にある。
(5) 宝積寺(ほうしゃくじ)段丘面:飛山や真岡市以南などを除いた宝積寺台地の大部分を占める段丘面である。
チバニアン期(77.4 万年前~12.9 万年前)後期の 25 万年前にできた古い河岸段丘で、谷津川をはじめ数本の大きな開析谷に刻まれている。しかし、それらの間には平坦面が広く残っていて、清原、芳賀台、芳賀・高根沢などの工業団地やニュータウンゆいの杜(もり)の用地になっている。南関東の多摩面(T面)にあたるチバニアン期の地形でこのようにはっきりした段丘の形をとどめている例は稀で、多くは侵食が進んで丘陵になっている。
基図には地理院地図の標準地図に陰影起伏図をオーバーラップしたものを使用。 地形面区分、形成時期などについては、主に、吉川敏之ほか(2010):地域地質研究報告 宇都宮地域の地質(産総研、地質調査総合センター)に依った。 標高は地理院地図上で計測した。
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