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🔍拡大 B 🔍拡大 「熱帯」の定義あれこれDefinition of the 'tropics' |
テーマ 36 熱帯の地学0 HOME⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る |
少し前までは、「1時間当たり 100㎜ の雨」といえば熱帯でしかみられない豪雨とされていたが、地球温暖化の最近ではそうでもなくなったようだ。
しかし、その頻度は熱帯が圧倒的に多いことに変わりはない。このような、稀には、あるいはよく探せばほかの地方にもあるが、やはり熱帯が圧倒的というような地学的事象について考えてみる。
なお、「熱帯」の定義には、以下のようにさまざまなものがある*1)。
1.北回帰線と南回帰線との間の地域(上図A)。これよりやや広く、
2.北緯 30°と南緯 30°の間の地域(上図A)。
3.寒冷な冬がない地域、および、これを数値化した、
4.最寒月の平均気温が 18 ℃以下にならない地域(上図Aの色分けしたケッペンの5つの気候地域)。熱帯では気温の年較差が小さいので、
5.気温日平均較差が年較差より大きい地域(上図B)。6.天気の変化の仕方が温帯とはっきり異なる地域(温帯では天気の変化を支配するのは偏西風であるのに対し、熱帯では偏東風)。
*1)および 図B:Ayoade, J. O. (1983): Introduction to Climatology for the Tropics. p.7 (Wiley)
図Aの原図:Beck et al.(2018):
Present and future Koppen-Geiger climate classification maps at 1-km resolution. Cientific Data--Nature, 5:180214.