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殺人率は、人口10万当たりの年間殺人被害者数で、治安のひとつの指標である。
2015年現在、フロリアノポリスは、ブラジル各州の州都のうちでこの数値が最も小さく、
最も安全な都市とみなされる。ただし、「ブラジルの中では」ということであって、
13.4という数値はとても安全というわけではない。日本でのこの種の数値は0.5にも達しないからである。
前世紀のこの都市の殺人率は一桁を維持していたので、ブラジルでは、昔からフロリアノポリスは安全
という定評があった。しかし、これがあだとなって、多くの貧民がこの都市に流れ込んできて、
貧民街(ファベーラ)をつくって住みつくようになり、治安は悪化した。2000年に殺人率は10.2と、
はじめて二桁になったのを皮切りに、2004年の28.9のピークまで、治安が一気に悪化した。
市当局は貧民の流入を防ぐため、バスターミナルで他州から長距離バスが着くごとに、
乗客をチェックし、不適当な人にはお引き取り願うという手にまで出たという。このような
努力の甲斐があってか、フロリアノポリスは2015年に、ふたたび治安第一位の州都に返り咲いた。
資料 Daniel Cerqueiraほか(2017):Atlas da Violência 2017 p.63-74 APÊNDICE(付表)より摘出 (http://www.ipea.gov.br/portal/images/170609_atlas_da_violencia_2017.pdf) |
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