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ユニークな山と丘 熱帯の地学(2) 18 BACK⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る |
ブラジル北東部地方の内陸、セルトンとよばれる熱帯半乾燥気候(ケッペンの BSh 気候)
のボルボレマ高原の侵食平野には、いろいろな形の残丘がある。写真手前の岩肌は、
パイマテウスの丘という名の平べったいドーム状のシールドインゼルベルク(楯状の島状丘)の斜面である。
その上にあり今にも転がり落ちそうな丸い巨礫は、この斜面を覆っていた風化層の中にあったコアストーン
である。
すなわち、この地はかつてあった湿潤気候の時代に地盤の深層風化が起こり、楯状の未風化の岩盤を
基盤としてコアストーンを含む厚い風化層が形成された。その後乾燥気候の時代になると、
風化物は侵食・除去されて、楯状の岩盤が地表に現れ、大きなコアストーンがその上に残った。
パイマテウスの丘は、このような二つの異なった地形形成時代を経てつくられた二輪廻性(二サイクル性)の
地形である。
遠方の丘も同様な過程を経てできたインゼルベルクであるが、元の岩盤がパイマテウスの丘のような
一枚岩でなく、縦横に割れ目(節理)が走ったものであったため、このように小分けの露岩と岩塊が
多数散らばる岩山になと考えられる。
2006年3月8日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-7 22 54.21, -36 17 51.42 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 342° |
PanoraGeo-No.54 | 直前のページに戻る BACK⏎ このテーマ 18/21 ⇒NEXT |