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A. 歌川広重による音無川と扇屋


B. 江戸末期の音無川と扇屋(ステレオ写真)

江戸時代後期の王子音無川

上の地図は、尾張屋版「江戸切絵図」(国会図書館蔵、1854年刊) 「染井王子巣鴨辺絵図」の一部。 左の川が石神井川(音無川)で、飛鳥山のふもとで三つに分かれているが、真ん中が本流で、 左右に分かれるのは王子石堰で取水された用水路である。右上から来る太い道が岩槻街道(日光御成道)で、 飛鳥山のふもとの沿道には「此辺料理屋多シ」とある。人気の料亭王子扇屋も 飛鳥大坂(この図では六コク坂とある)の下にあった。 人気スポット王子稲荷は図の左下にある。 下の浮世絵と写真は赤矢印の方向から扇屋を見たもの。地図の
 の画像(メトロポリタン美術館所蔵)は歌川広重の浮世絵で、1835–42年ごろの作とされる。 江戸の名高い料亭の一つとして王子扇屋を描いている。岩槻街道側に玄関がある扇屋の裏手を石神井川が 流れている。扇屋は川の対岸にも庭園を持ち、川を裏庭の一部のように利用して、人々を楽しませていた。 絵の
 の写真(北区飛鳥山博物館所蔵)は、1859 年(安政6年)横浜開港直後にロンドンのカメラ会社の 特派員として来日したピエール・ロシェが扇屋を撮影したステレオ写真「王子の料理屋」。 PanoraGeo-No.610 の画像とほぼ同じアングルで撮影されている。左右の写真の同じ物体が左右の目の間隔(約 6㎝)に なるような大きさにすると、肉眼実体視(地理や測量の専門家ならできる)あるいは簡易実体鏡を使った 実体視(遠近が浮き出して見える、いわば 3D 画像を見ること)が容易である。
参考: 北区飛鳥山博物館だより ぼいす 2006.3.20 p.5
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