Makabemachi-Sakayori Orange Orcherds randum


裾野も楽しい筑波山
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筑波山裾野にひろがる真壁町酒寄のミカン園

Makabemachi-Sakayori Orange Orchards on the footslope of Mt. Tsukuba

 筑波山西麓の真壁町酒寄集落(桜川市)には多数のミカン園が見られる。 おもなミカン園は筑波山の西の裾野(西麓緩斜面)の標高 80m から 250 m くらいまでの間に分布し、 秋には観光果樹園としてミカン狩りの客に開放される。おもに温州ミカンであるが、一部に地元特産で極小粒の 福来(ふくれ)ミカンも栽培されている。気候温暖化の現在、宮城県南部でも ミカンの栽培に成功したなどというニュースもあるが、これまでは温州ミカン栽培の北限はこの筑波山の裾野だと言われてきた。 筑波山周囲の平地は冬季に寒くなりすぎ、暖地性の作物であるミカンの栽培はできない。しかしそこより標高が やや高い筑波山の裾野には、平地より最低気温が3~4℃高い斜面温暖帯が形成されるため栽培可能である。 温州ミカンが栽培可能な気候は、年平均気温が 15℃以上で最寒月の最低気温(日最低気温の月平均)が-1℃以上、 また、-8℃以下の低温にならないことなどとされるが、筑波山の斜面温暖帯は この条件を満たしている。ちなみに、つくば市の気象台(館野:筑波山南方 20 ㎞、標高 25 m)の平年値は、 年平均気温 14.3℃、最寒月2月の最低気温-1.8 ℃で、この条件を満たさない。
 筑波山東麓、八郷盆地の十三塚や小幡(石岡市)などの山麓緩斜面にもミカン園はあるが、栽培地が標高数十mから 120m くらい までという低いところにあり、斜面温暖帯のメリットを十分に利用できない。このため、ミカンに特化せず、柿・梨・ブドウ ・リンゴ・ブルーベリーなど、多様な果樹の栽培を特徴としている。
2014年11月16日撮影  カメラの位置 (緯度,経度):+36 13 50.73, +140 4 24.69 (Google Map)  撮影方向:北から時計回り 93°
PanoraGeo-No.636     直前のページに戻る     BACK⏎ このテーマ 12/26 ⇒NEXT