"> 斑れい岩の巨岩、立身石 Risshinseki Rock, a gabbro megalith

直前のページに戻る

立身石、斑れい岩の巨岩

斑れい岩の巨岩、立身石(りっしんせき)

Risshinseki Rock, a gabbro megalith

 筑波山の中腹から上には斑れい岩の奇岩怪石が多数ある。 男体山南面の頂上直下、自然研究路沿いにある立身石という巨岩もその一つである。 高さ 20m くらいの巨岩で、石の上からの南方向の展望が良い。親鸞聖人が念仏によってこの岩窟に住む餓鬼たちを救った(餓鬼済度)という伝説がある。 立身石という名は、つくばみらい市(旧伊奈町)出身の間宮林蔵が 13 歳の時に立身出世を祈願したことに由来するという。
 マグマが冷え固まった岩石には火山から噴出して固まった火山岩と地下深くでゆっくりと冷え固まった深成岩があるが、筑波山で立身石のような巨岩をつくっている斑れい岩は後者、すなわち深成岩である。 したがって筑波山は火山ではない。地下深くで斑れい岩ができた後、地盤が隆起、できた山は侵食を受ける。 こうして上にあった地層や岩石がが取り除かれて露出した班れい岩によって筑波山が出来ている。
 立身石の岩体も一枚岩ではなく、割れ目が走りいくつかの大きなブロックに分かれている。 このような節理は地盤を隆起させた圧力によってできたものである。圧力のかかり具合によって節理が密な部分と疎らな(節理間隔が広い)部分とが生じる。 このような節理密度は局地的に大きく変化している。巨石の多い筑波山の山頂部は節理間隔が広い地域のようである。

2022年11月25日撮影  カメラの位置 (緯度,経度):+36 13 29.46, +140 5 57.00 (Google Map)  撮影方向:北から時計回り 115°

PanoraGeo-No.659

テーマ 42. 個性豊かな筑波山-その1: 筑波山はなぜ目立つ P.8 で使用

直前のページに戻る