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濁水のマデイラ川サントアントニオ早瀬

濁水のマデイラ川サントアントニオ早瀬

Muddy water Santo Antonio Rapids (Cachoeira Santo Antônio) of the Madeira

 ロンドニア州の州都ポルトヴェーリョの市街より約6km 上流にあるサントアントニオ早瀬は、増水期なので多くの岩礁を水没させ、マデイラ川の濁水が渦巻いて流れている。 ブラジル語のカショエイラ(cachoeira)は、ふつう、「滝」と訳されるが、実際にはこの程度のものであることが多い。 しかし、これでも、アマゾニアの主要交通手段である水上交通に及ぼす影響は大きい。 ポルトヴェーリョより上流のマデイラ川には、このサントアントニオ早瀬を皮切りに、早瀬が繰り返し現れて船の航行を妨げてきた。 このため、ポルトヴェーリョからグアジャラミリンに至る総延長 364.7km のマデイラ・マモレ鉄道が建設され、1912 年から 72 年まで使われていた(詳しくは、テーマ9:マデイラ・マモレ鉄道を参照)。 近年、マデイラ川のこの早瀬区間を利用したマデイラ川水力発電所群の建設計画によって、サントアントニオ水力発電所(出力 3150MW)とジラウ発電所(同 3300MW)が建設された。 これらの二つのダムによって、下流の氾濫原に深刻な環境変化が生ずることが心配される。とくに心配なことは、土砂がダム湖に堆積してしまうことにより、下流のマデイラ川やアマゾン川氾濫原へ供給される土砂が著しく減少することである。 泥で濁った「白い川」から供給される土砂は、氾濫原を造成する材料そのものであり、また、アマゾン低地の生態系における栄養分の主要な源泉の一つでもあるからである。

2007年3月18日撮影  カメラの位置 (緯度,経度):-8 48 27.07, -63 56 42.19 (Google Map)  撮影方向:北から時計回り 8°

PanoraGeo-No.147

テーマ 35. 色はいろいろアマゾンの川たち P.3 で使用

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