むかし、アマゾンにもあった立派な鉄道、マデイラ・マモレ鉄道
Once upon a time, there was a magnificent railway in the Amazon, the Madeira-Mamoré Railway

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マデイラ・マモレ鉄道路線図

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マデイラ・マモレ鉄道
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 マデイラ・マモレ鉄道はブラジルアマゾン地方のロンドニア州にあった鉄道で、州都ポルトヴェーリョからボリビア国境の町グアジャラミリンまでの 365.7㎞ を結んでいた。 その名の「マデイラ」も「マモレ」も川の名である。マデイラ川はアマゾン川中流部へ南岸から流入するアマゾン川最大の支流で、ポルトヴェーリョはその右岸にある。 マモレ川はマデイラ川上流の支流で、その右岸にグアジャラミリンがある。
 このようなアマゾンの奥地に鉄道が建設された要因は、19 世紀後半から 20 世紀の初期にかけてアマゾン川流域で起こった天然ゴムブームである。 天然ゴムを産するパラゴムの木はおもにアマゾン川より南の熱帯林に自生しており、ブラジルのほかペルーやボリビアのアマゾン低地も天然ゴムの主要産地である。 これらの地域の天然ゴムは、アマゾン川河口部のベレン市(旧名パラ市)から世界中に輸出されたのでパラゴムと呼ばれた。 パラ市までの輸送は川を下る船によって行われたが、ポルトヴェーリョとグアジャラミリンの間には多数の早瀬があって船の航行が困難であった。 マデイラ川上流の多くの支流沿いに天然ゴム産地を持つボリビアの強い希望もあって、ブラジルがこの区間に建設したのがマデイラ・マモレ鉄道である。 ブラジルは若干の金銭とこの鉄道の建設の代償として、現在のアクレ州にあたる地方をボリビアから取得した。 鉄道の全線開通は 1912 年であったが、奇しくもこの年がブラジルにおける天然ゴム輸出のピークで、この後、東南アジアのゴムプランテーションに押されて、アマゾンの天然ゴムブームは急速に萎んで行く。 国道 364 号と425 号の開通で代替輸送が可能になり、マアデイラ・マモレ鉄道は 1972 年に廃止された。

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