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典型的なカルデラ火山、クラシェニンニコフ山

典型的なカルデラ火山、クラシェニンニコフ山

Mount Krasheninnikov, a typical caldera volcano

カムチャツカ半島南東部、クロノツキー火山の南西には、世界遺産カムチャツカの火山群に含まれる火山、クラシェニンニコフ山(1816m)がある。 この山は地上から見るとさして目立たない山であるが、上空からの景観は圧巻である。 3万年前に陥没し形成された*1)直径約 10×9km のカルデラがあり、その中央部に二つの中央火口丘がそびえている。 典型的な二重式火山(複式火山)である。

北の山麓には、この火山や隣のクロノツキー火山の噴出物の堰き止めてできたクロノツキー湖がある。 この季節(4月)にはまだ全面凍結している。 この湖から南東(写真右下)方向に流れ出す川の始まり付近には、この火山の寄生火山の一つである爆裂火口、クロクル・マール(Krokur maar)がある。約 4300 年前に形成されたものという。

この火山は、2025 年7月 30 日にカムチャツカ半島東方沖で起きたマグニチュード 8.8 の地震直後の8月2日に噴火した。 スミソニアン研究所のホームページ*2)によると、クラシェニンニコフ山の最新の噴火は 1550 年ごろとなっているので、これは約 500 年ぶりの噴火である。 日本でも、南海トラフで起きた宝永地震の 49 日後に富士山の宝永山の噴火があった例などがあり、クラシェニンニコフ山の噴火も、巨大地震の発生後に火山活動が活発になる可能性を示すものではないかと注目された。

*1)Ponomareva, V.V. et al.(2025): Krasheninnikov Caldera (Eastern Kamchatka): Age and Magnitude of Eruption. Russian Jorual of Pacific Geology, Vol.19.
*2) Smithsonian Institution: Global Volcanism Program

2007年4月5日撮影  カメラの位置 (緯度,経度):+54 29 38.30, +160 28 38.26 (Google Map)  撮影方向:北から時計回り 324°

PanoraGeo-No.16

テーマ 6. カムチャツカ半島 P.4 で使用

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