チリ北部、アントファガスタ州のアタカマ砂漠を、海岸から内陸に向かって通る東西方向の地形断面図である。 アンデス山脈標高第7位のユヤイヤコ火山が通る緯線(南緯 24 度 43 分)に沿ったものである。 地域により高さに差はあるが、アタカマ砂漠の地形は、おおむね、この図のような断面になっている。 すなわち、太平洋沿いに標高 2000m を超す海岸山脈があり、その西斜面は急な崖で太平洋に臨んでいる。 海岸山脈の背後(東)には、この図ではパンアメリカンハイウェーが通るような、浅い盆地が南北にのびている。 この盆地と海岸山脈と合わせた部分がアタカマ砂漠である。 その東には、ドメイコ山脈のような前山(前衛山地)を介して、アンデス山脈の中軸部であるアタカマ高地がある。このようなアタカマ砂漠の地形はアタカマベンチとよばれることがある*1)。 ドメイコ山脈の西斜面が背もたれ、海岸山脈高所とその背後の盆地はわずかに後ろに傾いた座面をなす、巨大なベンチというわけである。 岩石海岸に発達する波食棚もベンチと言われるが、アタカマベンチはこれより1000倍、右の写真のわが家のベンチの 10000 倍も規模の大きいベンチである。
図の出典:松本栄次(2009):ペルーとチリの海岸砂漠(1.9MB). 地理月報 No.513, p.11, 二宮書店
*1)Armijo, R. et al.(2015):Coupled tectonic evolution of Andean orogeny and global climate. Earth Science Reviews, 143
テーマ 30. アタカマ砂漠・アタカマ高地 P.8 の資料