パンタナール湿原の微高地の樹林で比較的背が高く目立つ木がイペー(Ipê)である。 先住民ツピー・グアラニー族の言葉で「樹皮の厚い木」という意味をもつ。 イペーには、この写真のようにピンク色の花をつけるイペー ローショのほか、黄色の花のイペー アマレーロ(右の写真)、白い花のイペー ブランコなどがある。 イペー アマレーロはブラジルの国花である。 パンタナールで多いのはピンクの花のイペーローショ(Ipê roxo、学名:Handroanthus impetiginosus)で、乾季の7~8月に開花する。 葉がまだないうちに開花する点では日本の桜と同じである。 ローショ(Roxo)は赤紫という意味であるが、実際の花はこの写真のように鮮やかなピンク色である。 樹皮の内側から採れる物質には抗癌作用があるという説もある。 イペーは腐りにくい良質な木材にもなり、フローリング材や船の甲板などに使われる。 日本では横浜大さん橋国際旅客ターミナルで、フロアーや屋外のウッドデッキに、ブラジル産イペー材が大量に使用されている。
2003年8月12日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-16 28 25.56, -56 41 21.29 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り -°
PanoraGeo-No.241
テーマ 39. 野鳥の楽園パンタナール P.8 で使用