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ペルー砂漠のバルハン型砂丘

ペルー砂漠のバルハン型砂丘

Barchan dunes in Peru Desert

 (拡大:画像クリック)

[標高 185m] ペルーの海岸地域は、南太平洋中緯度高気圧の東の端に位置することに加え、寒冷な海面で大気下層が冷やされるために大気が著しく安定、 すなわち雨を降らせる上昇気流が起きにくい状態にあり、西岸砂漠あるいは海岸砂漠というタイプの砂漠になっている。 海水が寒冷なのは、海岸に沿いペルー海流という寒流が北上しており、また、地球自転の影響で西向き(陸地から離れる方向)に偏流した海流の水を補うよう、冷たい深海水の湧昇流が生じるためである。

この写真は、チンボテ市の南約 70km、海岸から7㎞ほど内陸の砂漠に見られ砂丘である。 砂丘にもいろいろな形のものがあるが、この写真のように三日月形の急斜面をもつものはバルハン型砂丘とよばれる型の砂丘である(参照:砂丘の主な型 a)。 バルハン型砂丘は、砂の供給量が比較的少なく一定方向に強い風が吹くところにできるタイプである。

バルハン砂丘の三日月形の急斜面の裏側には傾斜数度の緩斜面(背面)がある。 風で背面を吹き上げられてき砂は、頂上に達すると転がり落ちて急な斜面をつくる。このような砂丘の風下側にできる急斜面を滑落面という。 滑落面の斜面は安息角とよばれるほぼ一定した角度になる。乾いた砂礫の安息角は 30~35 度である。

バルハン砂丘の滑落面がある側が風下なので、砂丘の形からこの地方の卓越風の方向が分かる。 この写真は真南を向いて撮ったものなので、この地域で吹く強い風は・・・・南ないし南南西の風である。

砂時計
砂時計
下にできた錐の斜面は安息角

1981年7月7日撮影  カメラの位置 (緯度,経度):-9 38 8.17, -78 15 33.36 (Google Map)  撮影方向:北から時計回り 180°

PanoraGeo-No.274

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