アコンカグア山の地質
左の図はアコンカグア山の地質図で、これに本文の写真(PanoraGeo-No.392)の撮影位置と画角を示してある。
この地質図を参照して、写真に地質を記号で表示すると、上の写真のようになる。
一番手前のJt(トルディージョTordillo層)、JKvm(バカムエルタVaca Muerta層)、Ka(アグリオAgrio層)、Kd(ディアマンテDiamante層)などの中生代ジュラ紀から白亜紀の地層が、
古いものから順に、右(東)から左(西)へ並んでいる。これらの地層は、アンデス山脈のでき始めの時期に活動した火山列島と本土(南米大陸)の間の低まりを埋めて堆積したものである。
これらの地層のうち、バカムエルタ層の名は、近年とみに有名になった。
おもに頁岩(シェール)と泥灰岩からなるこの地層は、このアンデス山中では薄くて激しく褶曲し、逆転層になったりしているが、ここより 600㎞ ほど南のネウケン州の安定陸塊(卓状地)地域では、
400m 以上の厚さになり、その中に世界有数の量のシェールガス・オイルが含まれていることが明らかになったからである
参照:ネウケン盆地の油田。
これらの中生代の地層の上位に、新生代新第三紀中新世に活動した火山の溶岩、火山砕屑岩、凝灰岩などからなるアコンカグア火山岩体 Aconcagua Volcanic Complex(Ta) が横たわり、この山の山頂部をつくっている。
この層と下位の中生代の地層との境界(不整合面)は、この写真に見られる部分では標高 5500m 付近にあるが、写真の左の画角外、すなわちアコンカグアの山体の西部では低くなり、標高 4000m 位になっている。
参考文献:Cegarra,M.; Ramos,V.A.(2008):Cerro Aconcagua. in Sitios Interés Geológico de la República Argentina, Tomo 1-Norte, 189-201. ( スペイン語 25MB ダウンロード)
テーマ 27. アンデス越えパンアメリカンハイウェー P.9 の資料