飛鳥山と武蔵野台地東縁の段丘崖Asuka-yama and terrace scarps at the eastern margin of the Musashino Upland |
randum
テーマ 40 王子周辺ウォーキング6 BACK⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る |
王子駅の北にある「北とぴあ」17 階の展望ロビーから南方を見た景観である。
写真中央のカーブしている明治通りを挟んで向こうの木立は飛鳥山公園、手前の杜は王子神社である。
両者とも小高い台地の縁にあり、その北東側(JR 線がある方)は崖になっている。
この崖は、上野付近から赤羽付近まで、南東-北西方向に約 10㎞ 続く崖線の一部である。高さは 20~25mある。
東京の人は、この崖の下の土地(写真左下側)を下町、崖の上(右上側)を山の手と言うが、地形的には前者は下町低地(東京低地)、後者は武蔵野台地である。
すなわち、この崖は武蔵野台地の東縁をなす段丘崖である。武蔵野台地は台地を刻む谷(開析谷)によって細分される。
ここでは、明治通り沿いの石神井川の谷で分けられ、飛鳥山は南東方から細長く続いて来る上野台に、王子神社は赤羽台に属する。
(武蔵野台地東縁部の地形参照)
今から 6000 年ほど前の縄文海進の一時期、武蔵野台地東縁部の崖は、その麓が奥東京湾の海水で洗われていたので、千葉県銚子の屛風ヶ浦と同じような海食崖であるという考えがある。
しかし、屛風ヶ浦の崖は最初から海の波が削ってできたものであるが、この上野台や赤羽台の段丘崖はそうではなく、もともとは利根川または荒川の侵食によるものである。
その後の一時期、波の侵食を受けたとはいえ、その影響はここ王子付近では軽微である(参考:地質断面図)。
このような崖まで海食崖と言ってよいものかどうか、一考を要する。
2021年10月18日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):+35 45 17.54, +139 44 12.04 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 174°
PanoraGeo-No.606 🔍拡大