岩石には多かれ少なかれ節理(割れ目)がある。当然、節理相互の間隔が広い岩体ほど巨石になりやすい。
図Aは、そのような節理間隔が広い岩石が地表に現れて風化を受け始めた状況である。
岩石の風化は地表から始まるが、節理に沿って浸み込む水分によって岩体内部へ進んで行く。
図Bは、おそらく数十万年あるいはそれ以上が経過して、風化作用が地下深くまで達した状態、すなわち深層風化が進んだ状態である。
岩石のかなりの部分が風化して、ぐずぐずのマサになっている。
ただ、節理から遠い芯の部分には、まだ、風化を受けない新鮮な岩石が残っている。
これがコアストーン(核岩)で、その多くは大なり小なり角が取れて丸みを帯びている。
図Cは侵食が進んで風化物が取り去られた状態である。大雨か大地震によって、マサと化したルーズな地盤は崩壊し、小さなコアストーンもろとも斜面を流れ下る。
山麓部で大規模な土石流が発生しているかもしれない。右上にあった大きなコアストーンは、巨大な岩体の隙間に引っかかって流出を免れ、石門の天井になった。
風化作用にはいろいろなタイプがあるが、地形の形成、とくに、花崗岩や斑れい岩のような結晶質岩の地域の地形に最も深くかかわるのは、このような深層風化である。
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