例その1 茨城県石岡市の八郷盆地北部の地すべり地帯
筑波山の山頂部をつくるものと同じ斑れい岩(上図で紫色)が、筑波山北東 12 ㎞ の
東山(211m)と道祖神峠(どうろくしんとうげ)に分布する。
著しい風化で生じた粘土によって、地すべりが多数発生している*1)。
斑れい岩からなる道祖神峠は標高 310m の低い峠であるが、隣接する難台山(553m)は岩場が多い
花崗岩の山である。ここでは、花崗岩の方が斑れい岩より風化しにくいようだ。
*1) 松倉公憲ほか(1979):
柿岡盆地北部、東山におけるハンレイ岩の風化と地すべり粘土の生成。
産総研:日本シームレス地質図を原図として地名を補充
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例その2 三重県西部、旧・名張鉱山
三重県名張市東方の台地上にある名張鉱山では、かつて、斑れい岩の風化で生じたチタン鉱が採掘されていた。
この斑れい岩は、筑波山のものと同じ時代(後期白亜紀)でほぼ同じ岩質の斑れい岩であるが、深さ十数 m でも
新鮮な岩石が現れないほど、著しく深層風化している。
図の出典 奥村 滋(1982):名張斑れい岩体の風化過程(1)--風化殻の分帯--
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