これは寒冷地の写真ではない。アマゾン地方内陸部の中心都市マナウス市から北へ向かい、赤道を越えてわずか40km北半球に入ったところの写真である。 年平均気温 26~27℃、年降水量 1700mm 前後の弱い乾季のある熱帯雨林気候(ケッペンの区分における Am 気候)の地域である。 雪のように見える白い物質は砂である。しかしふつうの砂より白さが際立っているのは、混じりけのほとんどない石英の砂だからである。 アマゾン盆地で広い面積を占めるテラフィルメとよばれる台地の土壌は、一般に、黄色ラトゾルか赤色ラトゾルであるが、一部にこのような石英砂質の土壌も発達しており、現地ではアレイアブランカ(白い砂)とよばれている。 白砂のところには、アマゾン地方ではアマゾニアカーチンガ、一般には白砂植生とよばれる特殊な植生が成立している。 マナウスでアマゾン川と合流するネグロ川の流域にはこのような白砂、白砂植生の土地がとくに広い(参考:アマゾン地方における白砂植生の分布)。
2006年3月17日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):+0 20 32.86, -60 30 54.97 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 135°
PanoraGeo-No.66
テーマ 17. 熱帯白砂(しろすな) P.1 で使用