33. ブラジルの奥地の奥地ピアウイ州とそのお宝、
セラダカピバラ国立公園

Piauí State, the hinterland of Brazil, and its treasure, Serra da Capivara National Park

ブラジル各州GDI分布

ピアウイ州とセラダカピバラ国立公園の位置

Location of Piauí State and Serra da Capivara National Park

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ピアウイ州の世界遺産
セラダカピバラ
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Jica技術協力プロジェクト銘板

奥地の奥地で日本発見! セラダカピバラのビジターセンターに掲げられている銘板で、技術協力プロジェクトの一環として、米州開発銀行(エンリケ・イグレシアス社長)が、 日本特別基金を使って、セラダカピバラ国立公園の施設整備のための資金を融資したことを示している。

ピアウイという州は、日本人にとって、もっともなじみの薄い州のひとつであろう。 ブラジル北東部地方(ノルデステ)西部にあり、上の地図で境界を赤く囲んだところである。 歴史的に砂糖生産で発展した東海岸の森林地帯(ゾナダマタ)に対し、その西方の内陸一帯は奥地(セルトン)と呼ばれ、しばしば干ばつに見舞われる半乾燥気候下の貧しい地域である。 ピアウイ州は奥地のまた奥地とも言える位置にある。

ピアウイ州の位置を示すために使った上の地図は、2021 年時点のブラジルにおける一人当たり GDP を州別に示したものである。 経済発達状態の一つの指標であるこの値において、ピアウイ州は、隣のマラニョン州などともに、最低グループ3州の一員である。 ブラジルの一人当たり GDP に影響が大きいのは農業部門、特に最近では内陸部セラード地域の大豆生産で、マトグロッソ州(図中のMT)やマトグロッソドスール州(MS)の値が高いのはそのためである。 ピアウイ州もそのご御利益を若干受けており(本文7ページ参照)、近年、一人当たり GDP のランクは一つ上がった。それでも下から3番目である。

このように経済的に貧しいピアウイ州ではあるが、あるいはそのために、豊かな自然が保たれ、州内に国立公園が4つもある。 そのうち2つは、自然を開発から守るために設けられた保護地区である。残る2つのうちのひとつが世界文化遺産になったセラダカピバラ国立公園である。 セラダカピバラはカピバラ山地という意味。 南アメリカ最古の人類が残したものかもしれないという貴重な遺跡であり、見事な岩絵も一見の価値があるお勧めスポットであるが、きわめて交通不便なところにあるため、訪れる人は多くない。

ここでは、ピアウイ州の風景をのんびりと眺めながら、セラダカピバラ国立公園に向かうことにしよう。

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