randum
ボリビア・アンデス鉄道 11 BACK⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る |
有名なイリマニ山はさておき、あまり知られていないムルラタ山に近づいてみた。
北にムルラタ山、南にイリマニ山と、南北に並ぶこの二つの山の間を通過する飛行機から撮影した
ムルラタ山南壁である。イリマニ山の頂上からもこのような景色が見られるはずである。
このアングルで見るとムルラタ山の頂上の平らさは一層はっきりする。尖った峰々からなる高い
イリマニ山と平らで低いムルラタ山のコントラストを、地元住民は古くから不思議に思っていたらしく、
「かつて、自分より高かったムルラタ山に嫉妬したイリマニ山が、ムルラタ山の頭を切り取ってしまった」
という言い伝えがある。日本の
八ヶ岳と富士山の神話
に似ている。この「謎」を地学的に説明すれば以下のようになろう。
レアル山脈が属するボリビアの東コルディレラ山脈は基本的には古生代の堆積岩から
なる褶曲山脈である。西コルディレラ山脈のサハマ山のような高い火山があるわけではない。
しかしレアル山脈の部分には、中生代前期に貫入した深成岩(おもに花崗岩)の岩体が各所にあり、
削られにくいこの岩体がイリマニ、ワイナポトシ、イヤンプーなどの高峰をつくっている。
これに対して、写真で見れば明らかなように、ムルラタ山は地層に沿って平坦な地形ができやすい
堆積岩の山である。
1986年10月15日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-16 36 23.19, -67 47 45.66 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 350° |
PanoraGeo-No.271 | 直前のページに戻る BACK⏎ このテーマ 11/13 ⇒NEXT |