ウカヤリ川と2種類の支流Ucayali River and two types of tributaries |
randum
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写真の左上に見える太い川が、アマゾン平野の熱帯雨林の中を蛇行しながら流れるウカヤリ川で、写真の左辺が上流、上辺が下流である。屈曲がかなり進み、左上の部分では上流と下流の流路がかなり接近している。
このような部分を蛇行流路の頸(くび)あるいは頸状部(ネック)とよび、さらに屈曲が進むと、ここで流路の切断(カットオフ)が起こり、元の流路は三日月湖などの蛇行痕跡になる。
このウカヤリ川本流に、2本の支流が写真の下方から来て合流している。
白っぽい色をした右の支流(白い川)は細かく蛇行している。蛇行の細かさ(波長や振幅)は川幅とおおよその関係があり、川幅の小さい川はそれなりに蛇行の波長や振幅も小さい
(一般に、蛇行の振幅、すなわち蛇行帯の幅は、川幅の 10~25 倍である)。これに対して、水が黒っぽいためためあまり目立たない左のもう一本の支流(黒い川)は、ほとんど蛇行していない。
この違いはなぜ起こるのか? おそらく、川が運んでいる砂礫の量が関係していると思われる。
蛇行に限らず、川幅を変えずに川が水平移動するには、一方の河岸が侵食されるとともに他方の河岸には堆積が起こる必要がある。
もし、上流から砂礫が流れて来ないような川があったとしたら'他方の河岸の堆積'は起こらないから、川が水平移動することはなく、当然、蛇行もしない。
砂礫が流れて来ないという、一見、非現実的な条件の川、これが「黒い川」なのかもしれない。
理由はどうあれ、白い川の流路変動は活発であるが、黒い川の流路は安定していることは事実である(参照: ウカヤリ川本支流の流路変化、1981-2012年)。
黒い川の右岸に見えるかなり広い森林伐採地は、この事実を知った地元民の畑か牧場であろう。
1981年7月9日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-10 23 1.75, -73 56 6.87 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 333°
PanoraGeo-No.30 🔍拡大