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アマゾン川 3 BACK⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る |
写真の左上に見える太い川が、アマゾン平野の熱帯雨林の中を蛇行しながら
流れるウカヤリ川で、写真の左辺が上流、上辺が下流である。屈曲がかなり進み、左上の部分では
上流と下流の流路がかなり接近している。このような部分を蛇行流路の頸(くび)あるいは
頸状部(ネック)とよび、さらに屈曲が進むと、ここで流路の切断(カットオフ)が起こり、
元の流路は三日月湖などの蛇行痕跡になる。 このウカヤリ川本流に、2本の支流が写真の下方から来て合流している。 白っぽい色をした右の支流(白い川)は細かく蛇行している。蛇行の細かさ(波長や振幅)は川幅と おおよその関係があり、川幅の小さい川はそれなりに蛇行の波長や振幅も小さい(一般に、蛇行の振幅、 すなわち蛇行帯の幅は、川幅の 10~25 倍である)。 これに対して、水が黒っぽいためためあまり目立たない左のもう一本の支流(黒い川)は、 ほとんど蛇行していない。この違いはなぜ起こるのか? おそらく、川が運んでいる砂礫の量 が関係していると思われる。 蛇行に限らず、川幅を変えずに川が水平移動するには、一方の河岸が侵食されるとともに他方の 河岸には堆積が起こる必要がある。もし、上流から砂礫が流れて来ないような川があったとしたら ”他方の河岸の堆積”は起こらないから、川が水平移動することはなく、当然、蛇行もしない。 砂礫が流れて来ないという、一見、非現実的な条件の川、これが「黒い川」なのかもしれない。 理由はどうあれ、白い川の流路変動は活発であるが、黒い川の流路は安定していることは事実である (参照: ウカヤリ川本支流の流路変化、1981-2012年)。 黒い川の右岸に見えるかなり広い森林伐採地は、この事実を知った地元民の畑か牧場であろう。 1981年7月9日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-10 23 1.75, -73 56 6.87 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 333° |
PanoraGeo-No.30 | 直前のページに戻る BACK⏎ このテーマ 3/17 ⇒NEXT |