顕著な蛇行河川、ウカヤリ川Remarkable meandering river, Río Ucayali |
randum
テーマ 28 アマゾン川をたどる5 BACK⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る |
アマゾン川上流部の二大支流のひとつであるウカヤリ川が流れるアンデス山脈の東山麓は、地質的にはアンデスの前縁盆地、地形的には南米大陸の中央低地帯とよばれる地帯である。
現在でも沈降傾向にあるきわめて平坦な土地のため、ウカヤリ川は広い氾濫原の中を右へ左へと大きく蛇行し分流しながら流れる。
その全区間、この写真のような顕著な蛇行河川であるため、実際の流路の長さは、蛇行がないと仮定した場合の約2倍にもなる。
ウカヤリ川と呼ばれる区間は、アンデスから流れ下るタンボ川(アプリッマク川最下流部の呼び名)とウルバンバ川の合流点の町アタラヤからマラニョン川合流点までで、その長さは約 1500km ある。
しかし、ウカヤリ川のような蛇行河川はとくに流路の移動・変形が激しく、川の長さは常に変化している。
たとえば、写真の一番手前にある大きな蛇行のくびれた部分でショートカット(カットオフ:切断)が起これば、流路長は一挙に 10㎞ 以上も短くなる。
1998 年版のグーグルアース衛星画像を使って計ったウカヤリ川の長さは 1564km あったが、2019 年には 1549km、2024年 には 1534㎞ になっていた。
したがって、アマゾン川全体の長さも一定ではなく、はっきりした数字で示しても意味がない。
行く行くは、気温や降水量のように、30 年平年値という形で表記するようになるかもしれないが、目下のところは「アマゾン川:6288㎞(2024年)」のように、計測した資料の画像取得年あるいは測量年を付記するのが一つの方法だろう。
1981年6月29日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-5 53 26.22, -74 24 6.66 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 255°
PanoraGeo-No.400 🔍拡大