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パンアメリカン ハイウェー 10 BACK⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る |
アコンカグア山の南麓にインカの橋とよばれる
変わった地形がある。メンドーサ川の上流のクエバス川に架かった長さ48m、幅28mの自然橋である。
近くに温泉が湧いており、アンデス横断鉄道があった時代には、この温泉リゾートに多くのツーリストが
訪れた。写真で橋の右下に見える建物は温浴施設の遺物、右上隅の建物は、かつてあった
ホテルに付属の礼拝堂である。
インカの橋がこの温泉水から析出したミネラルが砂礫層を固めてできたことは容易に想像がつく。
しかしそのくわしいでき方については、1835年にここを訪れたダーウィンの説をはじめとして
いろいろな説がある。ここでは、この地域の地質研究の第一人者、V.A.Ramos
の説を紹介する:①繰り返し起こる雪崩によって厚い雪で谷底が埋められた状況が長い間つづく。
②谷を流れていた川は雪の下にトンネルを掘って流れ続けるのでスノーブリッジができる。
③雪崩に含まれていた土石が雪解けとともに表面に集まり、また斜面から落ちてきた土石が
加わりスノーブリッジの上に岩屑層ができる。
④この岩屑層にしみこんだ温泉水からミネラル塩が析出して岩屑層が固結する。こうして
スノーブリッジが溶け去った後も壊れない自然の橋ができた。 参考文献::Ramos,V.A.ほか(2008): Puente del Inca. in Sitios Interés Geológico de la República Argentina, Tomo 1-Norte, 203-214. ( スペイン語 65MB ダウンロード) 2005年3月24日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-32 49 33.12, -69 54 38.26 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 210° |
PanoraGeo-No.393 | 直前のページに戻る BACK⏎ このテーマ 10/14 ⇒NEXT |