(1)の画像は1985年の状況で、
写真PanoraGeo-No.222および
写真PanoraGeo-No.401とほぼ同じ頃のものである。
赤色でそれぞれの写真の撮影地点と方向・画角を示してある。
北に向かって(写真下から上へ)流れるアマゾン川は、イキトス市街の手前(東)で二つに大きく
分流し、その一つが市街地沿いに流れている。イキトスはアマゾン川に臨む都市であった。
(2)の画像はそれから20年後の2005年の衛星写真である。この間にアマゾン川の流路は
大きく変わり、イキトスの市街地から離れてしまった。かつてアマゾン川の褐色に濁った水が
流れていた市街地に接する水面は、イタヤ川という小さな川から流れ込む黒い水を湛えた湖
になっている。市街地の北方、ナナイ川とアマゾン川の間にあった半島(1985年の写真でPano..
の字がある付近)は、”一気に”消失してしまった。このように流路変化が激しいのが、
アマゾン川上流部の特徴である。イキトスの市街中心部は小高い台地の上にあるので、
”一気に”消失するとは考えられない(台地の縁の崖が少しずつ削られて行く
可能性はある)が、都市の拡大に伴ってできた氾濫原の市街地が”一気に”被災する
可能性は十分にある。この20年間に、アマゾン川の流路は大きく変わったが、黒い川である
ナナイ川やイタヤ川の流路はまったく変わっていない。
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