花崗岩質岩石の風化とコアストーンCorestones in the deeply weathered granitoid rock |
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テーマ 37 ユニークな山と丘熱帯の地学(2) 7 BACK⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る 花崗岩の深層風化断面*1) 🔍拡大 |
ブラジル北東部の小さな石切り場の崖に点々と散らばる丸みを帯びた白い岩塊はコアストーンである。 地下深くまで達する厚い風化層の中で、もとの岩石が風化されずに残ったものである。風化層の下部に行くほど増え、大きくなる(右の図参照)。 コアストーンの周りを埋めているやや色づいた部分は、コアストーンと全く同一の岩石が化学的風化を受け、スコップでも削れるくらいルーズになったサプロライトである。 日本では真砂土(まさど、まさつち)あるいは単にマサとよばれるものに相当する。 地下深部における岩盤の風化(深層風化)は、岩盤の中を縦横に走る割れ目(節理)に侵入した水や二酸化炭素が造岩鉱物を化学的に変化(加水分解など)させることによって生ずる。 したがって、割れ目に近いところは早く風化され、割れ目から遠いところはいつまでも風化されず、新鮮な硬いコアストーンとして残る。その境界はきわめてシャープである。 もちろん、この石屋さんが使うのはコアストーンで、硬いコアストーンを砕いて整形し、石垣や敷石などに使う石材をつくっている。
*1) Ruxton and Berry (1961) の原図を引用した Thomas, M. F.(1974):Tropical Geomorphology, p.85 の図を編集
1996年7月30日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-7 11 13.74, -39 19 47.06 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 340°
PanoraGeo-No.511 🔍拡大