インゼルベルクという名前がはじめて使われたタンザニアの残丘Residial hills in Tanzania where the name "Inserberg" used for the first time |
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テーマ 37 ユニークな山と丘熱帯の地学(2) 19 BACK⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る ドドマの気温と降水量*1) |
東アフリカのタンザニア中部にあるドドマ市は、標高 1100m 前後の侵食平野が広がる高原にある。熱帯半乾燥気候(ケッペンの高温ステップ気候 BSh)のこの地方の3月は雨季の終盤で、ドドマ市街は緑豊かである。 その郊外にそびえるシンバの丘(Simba Hill、写真右端、ライオンの丘の意)は、さながら大海に浮かぶ島のようで、まさにインゼルベルク(島状丘)そのものである。 このインゼルベルクという地形名は、19世紀末に当時のドイツ領東アフリカ(現在のタンザニア)の地形地質を研究したドイツ人地質学者ウイルヘルム・ボルンハルト(Wilhelm Bornhardt、1864-1946)が初めて使ったものである。 後の研究者は、彼の業績を讃えるために、ドーム状のインゼルベルクのことをボルンハルトとよぶようになった。 この写真のシンバの丘は、上部に急な崖のドームがそびえ、下部にはそこから崩れ落ちた岩塊がたまった斜面があり、崩壊期のボルンハルトの特徴を示している(参照: ボルンハルトの形成と崩壊の図F)。
*1)Climate-data.org の climate model 1982-2012年 による。
1986年3月31日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-6 12 14.50, +35 45 12.22 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 358°
PanoraGeo-No.524 🔍拡大