パンタナール横断道路を行く牛の群れHerds of cows go along the Trans-Pantanal Road |
randum
テーマ 39 野鳥の楽園パンタナール3 BACK⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る クイアバの気温と降水量*1) |
パンタナール横断道路の観光と並ぶもう一つの用途は移牧の道としての利用である。 移牧とは家畜の飼育場所を季節ごとに移動させることで、パンタナールの牧場では、浸水して使えなくなる期間、家畜をほかの牧場に避難させる必要がある。 このような家畜の定期的な移動にこの道路が利用される(参照:パンタナール湿原の移牧)。 この写真の8月は、避難先から水がひいたパンタナールの牧場へ牛が帰ってくる時期で、一日にいくつもの牛の群れがパンタナール横断道路を南下して行く。 パンタナールでは乾季になっても湿原の水はすぐにはひかず、また、雨季になってもすぐには満ちて来ない。 そのため、乾季が始まってから3か月もたち、2か月後には雨季が迫っているこの8月(右の気候表参照)が牛の帰還の最盛期となる。 この日、そのような牛の群れが渋滞するトラブルが起きた。 牛の群れの前方には狭い壊れかかった木橋がある。新米の若いカーボーイの誘導のまずさから、牛たちが橋を渡るのを嫌がってしまった。 もともと、牛たちにとって、キャトルグリッドに似た隙間だらけの木橋を渡るのは勇気がいることである。 カーボーイが足を踏み鳴らし、大声をあげ、帽子を振って追い立てても牛たちはビクともしない。
*1) クイアバは北部パンタナールの気候を代表する地点。(ブラジル気象庁-INMET による 1981-2010 年の平年値)
2003年8月14日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-16 25 28.82, -56 40 12.40 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 178°
PanoraGeo-No.553 🔍拡大