深く掘れ込んだ水路を流れる石神井川The Shakujii River flows through a deeply dug channel |
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石神井川が飛鳥山付近で台地から低地に出る手前の2㎞くらいは、この写真のように掘れ込んだ川になっている。
また、昭和の河川改修で直線化される以前にはかなり蛇行を繰り返していた。このように掘れ込んだ蛇行のことを穿入蛇行という
(参照:1909年測図地形図の石神井川穿入蛇行)。
穿入蛇行は、平らな平野を蛇行しながら流れていた川が、侵食力を取り戻して河床を掘り下げるようになった時にできる。どうしてこの区間の石神井川が侵食力を取り戻したのだろうか?
むかしの石神井川は、この写真では両岸のフェンスがある高さにひろがる平野(氾濫原)を蛇行しながら東へ流れ、飛鳥山の西麓に達すると向きを南~南東に変え、上野の不忍池へと流れていた(参照:古石神井川の流路)。
ところが、おそらく数千年前、石神井川の流路が、現在のように飛鳥山の北を通って低地へ直接を流れ出るように変わった(参照:明治時代の石神井川)。
石神井川は高さ十数 m の台地から0m に近い低地に急に下ることになり、急流になった。
滝や早瀬ができて川底を活発に掘り下げた。滝や早瀬は、蛇行する川に沿って次第に上流へ移動して行き、その下流に掘れ込んだ峡谷を残した。こうして蛇行した峡谷、すなわち穿入蛇行ができた。
滝野川という地名は、このように滝や早瀬が多かった石神井川から生じたものである。
2021年10月18日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):+35 45 8.97, +139 43 49.49 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 68°
PanoraGeo-No.612 🔍拡大