斑れい岩の新鮮な表面Fresh surface of gabbro |
テーマ 42 筑波山はなぜ目立つ p.10 の画像 (拡大:画像クリック) |
岩石の組織や構成鉱物は割って新鮮な面を出してみないとわからないが、筑波山は御神体なので、岩石を割ったり採取したりすることは禁止されている。
たまたま、2014 年の崖崩れで不通となっていた自然研究路の工事が終わった後の現地には、割って取り除いた落石の残片が残されていたので、この写真のような斑れい岩の新鮮な表面を観察できた。
斑れい岩は、マグマが地下深くでゆっくり冷えてできた深成岩の一種で、御影石などという名で知られる花崗岩と同じ種類の岩石である。
違いは鉱物組成で、花崗岩が石英、正長石、白雲母などの白色ないし透明な無色鉱物が多いのに対し斑れい岩は輝石や角閃石などの黒っぽい有色鉱物に富む。
したがって、どちらも白い鉱物と黒い鉱物のまだらではあるが、斑れい岩は全体的に見て花崗岩より黒っぽい。
さて、この斑れい岩は本当に花崗岩より風化しにくいのだろうか?いろいろ調べてみても、風化しにくいと断言している文献(筑波山に関する一般向け概説書を除く)は見つからない。
それどころか、斑れい岩が著しく風化した例を示す文献は少なくない。
2022年11月25日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):+36 13 30.68, +140 5 56.17 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り -°
PanoraGeo-No.662 |