海食洞門「サパタ洞門」Portal da Sapata, a sea cave |
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テーマ 19 フェルナンド デノローニャ島 9 BACK⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る |
フェルナンドデノローニャ島の南西端のサパタ岬に向かっては細長い半島が突き出している。
島の北東部にある港を出て、波の静かな「内の海」をめぐる遊覧船はここまで来て引き返す。
半島の向こうは遮るもののない南東貿易風が吹きすさぶ荒海である。
この半島の中ほどに半島を突き抜ける天然のトンネルがある。サパタ洞門とよばれる海食洞門である。
遊覧船のガイドが客に向かって問いかける:何の形に見えますか?・・・あっ、ブラジルだ!、南米だ!地図を思い浮かべてみるとそう見えないこともない。
この半島はフェルナンドデノローニャ島の第二期火山活動の産物であるキシャバ層でできている。
キシャバ層はアンカラトライト溶岩層が主であるが、火山砕屑岩の層もある。
この半島の先端部は溶岩、付け根の部分は砕屑岩からなり、その境界はこの洞門付近にある(→地質図)。
ここでは西に(写真右に)緩やかに傾き下る面を境にして、下位に砕屑岩層が、上位に溶岩層が重なっている*1)。
このような地質構造のもとで、下位の侵食されやすい砕屑岩層が波で削られ、上位の硬い溶岩層は崩落せずに残った結果、サパタ洞門ができあがった。
*1)
Magini, C. et al.(2022)の文献における P.8, Fig.6 C にこの洞門付近の溶岩流と砕屑岩層の境界を示す写真があるが、溶岩流(flow)と砕屑物(Tuffs and Breccias)という記述が誤って逆になっている可能性がある。
2007年3月29日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-3 52 19.13, -32 28 4.54 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 199°
PanoraGeo-No.691 🔍拡大