氾濫原農民のカカオ豆生産(3)Production of cocoa beans by farmers in flood plain (3) |
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果肉(パルプ)を搾り取ったカカオ豆は天日で乾燥される。 カカオ豆の加工では多くの場合、殻をはいだ後1週間ほど、箱に入れたりバナナの葉で包んだりして醗酵させ、風味を高めるが、ここではチピチで絞り、その後すぐに天日乾燥である。 微妙な風味などは期待できないが、これでも十分商品になる。 ブラジルは最近 10 年(2013-22年)平均で毎年 26 万トンのカカオを生産しており、これは全世界生産量(約450万トン/年)の約5%にあたる。 ブラジルの植民地時代の一時期、アマゾン地方のカカオ生産がブームになったこともあるが、その後長い間バイア州がブラジルにおけるカカオ生産の中心地であり続けた。 1970年代後半の5年平均ではバイア州が全国の生産量の 96 %を占め、アマゾン地方(ブラジル北部地方)はわずか 0.8 %にすぎなかった。 しかし、このあと、アマゾン地方、とくにその中のパラ州におけるカカオ生産が少しずつ増加し始め、40 年後の 2019 年には、生産が停滞気味のバイア州を抜いてパラ州がブラジル第一のカカオ生産州になった。 もちろん、この逆転劇はこの写真のような家内産業的カカオ生産がブームになったためではない。 アマゾン地方のカカオ生産を復活させたのはアマゾン横断道路沿線の農家である。当初、彼らはコーヒー、コメ、トウモロコシ、キャッサバなど様々な作物を栽培していた。 しかし、カカオがその自然・社会環境で最も有利な作物であると考えるようになってきたのである(参照:アマゾン横断道路沿線における主要作物の作付面積)。
2002年8月12日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-2 32 39.64, -56 31 20.04 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 120°
PanoraGeo-No.704 🔍拡大