ネグロ川、世界最大の「黒い川」Negro River, the world's largest "blackwater river" |
randum
テーマ 35 色はいろいろアマゾンの川たち 6 BACK⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る |
マナウス市でアマゾン川本流(ソリモンエス川)と合流する直前のネグロ川である。 熱帯に黒い水の「黒い川」は多いが、ネグロ川は世界最大の「黒い川」である。その名の「ネグロ」も「黒い」を意味している。 この写真付近のネグロ川の幅は 10km あり、川幅3~4km のアマゾン川本流よりはるかに広い。 「黒い川」ネグロ川の川幅がこのように広いのは、土砂がたまって川沿いにできる氾濫原がなく、元の広い水面が残っているためである。 「黒い川」の黒い水は、泥で濁った「白い川」のアマゾン川本流の水とは違い、氾濫原をつくるに十分な土砂を含んでいないのである。 写真のはるか遠方には、氾濫原がなく、直接ネグロ川の水面に接した台地(テラフィルメ)の崖が続いている。崖にはネグロ川の侵食で生じた崩壊地が多数見られる。 それでは、そのような元の広い水面とは何なのか? 一言でいえば、それは、海水面が低かった氷河時代にネグロ川が削った深い谷に、その後の海面上昇によって水が入り込んでできた溺れ谷である。 このような広い水面は、河口(川の合流点)にできた湾という意味のマウスベイ(mouthbay)とよばれる。 また、リアス式海岸の湾と同じ成因なので、河川リアス(fluvial rias)とも言われる*1)。 河川リアスの多くは、その出口を本流がつくった州で狭められて堰止湖のようになっているので、マウスレーク(mouth-lake、河口の湖の意)とよばれることもある。
*1) Gourou, P. (1949): Observações georgáficas na Amazônia. Boletim Geográfico, 21
2002年7月29日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-3 2 27.95, -60 6 24.80 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 215°
PanoraGeo-No.70 🔍拡大