飛山城があった鬼怒川河畔の台地The upland on the Kinugawa River, where Tobiyama Castle was located |
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鬼怒川を渡るライトラインの北の車窓からは、広々とした鬼怒川の河川敷の向こうに、落葉樹に覆われた小高い台地が見える。この台地には飛山城史跡公園がある。宇都宮駅からのライトラインが鬼怒川を渡って最初に停まるのが⑨飛山城跡(とびやまじょうあと)停留場である。飛山城は宇都宮氏の家臣であった芳賀氏(清原氏)の居城で、1290 年代(鎌倉時代後期)から 1590 年代(安土桃山時代)までの約 300 年間にわたり存在していた。飛山城は、箱根山山腹の厚い火山灰層を掘って造られた山中城(静岡県三島市)と同じ、土塁や土の堀で守りを固めた戦国時代の「土の城」である。
鬼怒川の左岸に広がる台地は宝積寺台地(ほうしゃくじだいち)または鬼怒川左岸台地など呼ばれている。その大部分は地質的には宝積寺段丘という河岸段丘であるが、飛山城があった台地は異質である。宝積寺段丘ができた時代(離水時期ともいう)は 25 万年前ごろであるのに対し、飛山城の段丘は 35 万年前ごろとかなり古い。
そのため、段丘になった後の長い時間に堆積した火山灰層(いわゆる関東ローム層)は 30m前後と極めて厚い。この写真で見える飛山城台地の鬼怒川に面する段丘崖の高さは約 30mなので、台地全体がローム層で出来ていることになる。このように厚い火山灰層があることによって、ここに強固な「土の城」を築造し得たのであろう。
2024年3月21日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):+36 33 9.84, +139 57 15.70 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 63°
PanoraGeo-No.717 🔍拡大