「牛の道」になったアマゾン横断道路Trans-Amazonian Highway that became the "Cow Road" |
randum
テーマ 38 アマゾン横断道路9 BACK⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る |
マラバ市から 100㎞ ほど北西に行ったところで、牛の大群に行く手を阻まれた。 マラバ市近くの牧場から百数十 km 離れた別の牧場へ、アマゾン横断道路を使って移動中の 1500 頭の牛たちである。6人の牧童が何日もかけて行う大仕事である。 行進は休憩中で、道端の斜面などに入り込んで草を食んでいる牛もいる。大きなバスも牛の群れをかき分けながら、そろそろと進まなくてはならない。 ブラジルの歴史には「牛の道」(カミーニョス・ド・ガード、Caminhos do Gado)という言葉があるが、まさにこれを思い出させる光景である。 ただし、「牛の道」の本来の意味は、植民地時代に、砂糖産業で繁栄したバイア州、ペルナンブコ州、サンパウロ州などの海岸地帯の都市 (それぞれ、サルヴァドール、オリンダ/レシーフェ、サンヴィセンテ)周辺を出発点にして、僻地に向かって、牛の牧場が次々につくられていった道筋のことである。 牧場の拡大は、全方面的ではなく、川沿いなど牧場に適したところを選んで伸びる線的な形であったため、「道」という表現が使われる。 この意味では、牧場がアマゾン地方へ進入する道筋となったアマゾン横断道路は、まさに、「現代の牛の道」と言えるかもしれない。
2007年9月1日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-4 49 40.90, -49 33 9.56 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 357°
PanoraGeo-No.89 🔍拡大