水害が起きやすい地形の小貝川・大谷川合流点 The confluence of the Kogai River and the Otani River in a topography prone to flood damage randum


小貝川母子島遊水地
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水害が起きやすい地形の小貝川・大谷川合流点

The confluence of the Kogai River and the Otani River in a topography prone to flood damage

 母子島(はこじま)遊水地は、ここで合流する大きな小貝川と小さな大谷川(おおやがわ)に挟まれた低地にある。 写真は、左から小貝川、右うしろから大谷川が来て合流する地点であるが、2019 年 10 月 12-13 日の台風 19 号の直後なので両河川が増水し、河原(高水敷)は完全に水没している。 遠方に見える青いアーチは、水資源機構の霞ヶ浦用水の小貝川水管橋である。霞ヶ浦から筑波山に掘られたトンネルを通して、この付近およびさらに西の猿島(さしま)台地まで灌漑用水や都市用水を送っている。 その向こうには小貝川の代表的水位観測地点である黒子橋がかすかに見える。
 このような大小の川が合流する場所では川が氾濫して水害が起こりやすい。 また、小貝川はこの付近で勾配が 2/1000 から 0.2/1000程度へと急に緩やかになっている(参照:小貝川の縦断面図)。 このように川の勾配が急減するところや川幅が狭まるところ、あるいは堰やダムがあるところなど、流れの障害になるものがあるすぐ上流(背後)では、増水時に水位が異常に高くなって氾濫しやすい。 このような現象はバックウォーター(背水)と呼ばれ、その影響を受ける区間を背水区間という。 母子島遊水地付近はまさに小貝川の背水区間である。ここでは遊水地ができる以前、第二次大戦後だけでも、1950年、58年、61年、81年、82年、そして86年と、頻繁に水害が発生している。 とくに母子島遊水地建設のきっかけとなった 1986 年の水害は激甚災害に認定されるほどひどいものであった(参照:1986 年8月台風 10 号による小貝川の氾濫)。
2019年10月13日撮影  カメラの位置 (緯度,経度):+36 15 17.34, +139 59 36.06 (Google Map)  撮影方向:北から時計回り 133°
PanoraGeo-No.457     直前のページに戻る     BACK⏎ このテーマ 13/18 ⇒NEXT