ルーロポリス市郊外のアマゾン横断道路Trans-Amazonian Highway on the outskirts of The City of Rurópolis |
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「アマゾンには森がない」*1)という本は、同じアマゾンでも西の方のロンドニア州が舞台であるが、パラ州のアマゾン横断道路をドライブしていてもそれを実感する。 どこもかしこも、この写真のように、森林に乏しい開けた景観の連続である。 牧場のひろがる緩やかに起伏する土地を赤い砂利道が貫き、小川を渡るところには車一台がようやく通れるほどの狭い木の橋が架かっている。 その向こうの左側には、幹線道路に直交するヴィシナール道路(略してヴィシナール)の入口がみえる。 森林の伐採と畑や牧場の造成はおもにこのようなヴィシナール沿いで行われる。 当初のアマゾン横断道路入植計画では、アマゾン横断道路の両側 10㎞ の土地を移住者に配分して開発させることになっていた。 したがって、ヴィシナールの長さは 10㎞ までのはずであるが、この写真のヴィシナールの長さは今では 25km くらいあり、ほかのヴィシナールには 40~50km あるいはそれ以上のものもある。 現実には当初の計画をはるかに超えた森林破壊が進行しているわけである。 ノルデステ(北東部地方)の農民の入植がうまく行かずアマゾン横断道路入植計画の失敗が明らかになると、この道路の沿線では3000ヘクタールまでの土地所有が認められるようになった。 その結果、資産家や大企業による牧畜主体の開発が可能になり、森林破壊が広域化していった。
*1)原後雄太(1977):「アマゾンには森がない」、253pp. 実業之日本社
2007年9月3日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-4 5 3.97, -54 50 15.10 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 255°
PanoraGeo-No.102 🔍拡大