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ブラジルの"風"景 8 BACK⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る |
カモシンは、ブラジル北東部地方(ノルデステ)北海岸、セアラ州西部の海岸
にある人口6万ほどの小都市である。沿岸漁業が盛んで、毎日、朝の海には漁師の小舟が並ぶ。三角帆が穏やかな
東風をはらんでいる。この三角帆は、膨らんだ帆の凹面と凸面の空気の流れの速さの差、それによって生ずる
圧力の差を利用して、風に向かっても進むことができるという優れものである。植民地時代初期の
ブラジルでは、ジャンガーダ(Jangada)という丸太を並べてつくった帆かけ舟が、漁師の間で広く
使われていたが、この三角帆はジャンガーダに由来するものである。
時代の流れとともに、ジャンガーダを使った漁が見られる地方は減り、ノルデステ、とくにその北海岸に
絞られてきたが、その経緯に関しては、次のような説が有力である。18 世紀頃、ミナスジェライス州などを
中心としてゴールドラッシュが起きた時代に、ポルトガル王室は、金の密輸を防ぐために舟の出入りを厳しく
取り締まるようになった。そのため、ジャンガーダを使う漁も行いにくくなり衰退していった。
その中にあって、北東部地方北海岸は、住民も少なく、強いギアナ海流が流れる沖を外航船が通る
こともなかったため、当局の取り締まりがゆるく、ジャンガーダが生き残ることができた。
2011年8月31日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-2 53 6.40, -40 50 47.46 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 56° |
PanoraGeo-No.372 | 直前のページに戻る BACK⏎ このテーマ 8/13 ⇒NEXT |