Camocim City lined with triangular sails offshore

沖合に三角帆が並ぶカモシンの朝

Morning of Camocim City lined with triangular sails offshore

randum


 テーマ 25

ブラジルの"風"景
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カモシンは、ブラジル北東部地方(ノルデステ)北海岸、セアラ州西部の海岸にある人口6万ほどの小都市である。沿岸漁業が盛んで、毎日、朝の海には漁師の小舟が並ぶ。 三角帆が穏やかな東風をはらんでいる。この三角帆は、膨らんだ帆の凹面と凸面の空気の流れの速さの差、それによって生ずる圧力の差を利用して、風に向かっても進むことができるという優れものである。 植民地時代初期のブラジルでは、ジャンガーダ(Jangada)という丸太を並べてつくった帆かけ舟が、漁師の間で広く使われていたが、この三角帆はジャンガーダに由来するものである。

時代の流れとともに、ジャンガーダを使った漁が見られる地方は減り、ノルデステ、とくにその北海岸に絞られてきたが、その経緯に関しては、次のような説が有力である。 18 世紀頃、ミナスジェライス州などを中心としてゴールドラッシュが起きた時代に、ポルトガル王室は、金の密輸を防ぐために舟の出入りを厳しく取り締まるようになった。 そのため、ジャンガーダを使う漁も行いにくくなり衰退していった。 その中にあって、北東部地方北海岸は、住民も少なく、強いギアナ海流が流れる沖を外航船が通ることもなかったため、当局の取り締まりがゆるく、ジャンガーダが生き残ることができた。

2011年8月31日撮影  カメラの位置 (緯度,経度):-2 53 6.40, -40 50 47.46 (Google Map)  撮影方向:北から時計回り 56°

PanoraGeo-No.372   拡大

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