ペルナンブコ州海岸平野、丘陵地を刻む小さなサッピングバレーSmall sapping valley carved into hills along the coast of Pernambuco |
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テーマ 37 ユニークな山と丘熱帯の地学(2) 12 BACK⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る |
ブラジル北東部地方ペルナンブコ州海岸部南部の伝統的サトウキビ地帯では、この写真のように、丘陵も大部分がサトウキビ畑になっている。 この丘陵地は深くまで風化を受け、ルーズで水を通しやすい物質(サプロライトあるいはマサ土)からなっている。 この写真中央やや左には、丘陵に切り込む小さな開析谷が見られる。このような谷が切り込むことによって丘陵地は次第に細分され、多くの孤立した半球状の丘、すなわちハーフオレンジが形成される。 この写真の開析谷の両側にある頂の丸い丘は、そのような過程にあるハーフオレンジである。 この開析谷の谷底は平らで、その谷頭は平面形が半円形の円形劇場型谷頭(アンフィシアター谷頭、Amphitheater headwater)という特殊な形を呈している。 この例のような透水性のサプロライトからなる丘陵地では、雨水の大部分が地表を流れずに地中に浸透、その水は丘の麓や谷底から湧き出す。 このように地下水が湧き出す場所で土砂が吐き出される現象は地下水サッピングまたは単にサッピング(Sapping)といわれる。 サッピングによって麓を削られた丘の斜面は不安定になってしばしば小さな崩壊を繰り返す。 崩落したルーズな物質は湧水や谷底を流れる水によって運び去られる。こうして平らな谷底や円形劇場型谷頭ができる。 このような谷は、形態的には(仮称)円形劇場谷頭谷(Amphitheater-headed valley*1))、成因的にはサッピングバレー(Sapping valley*2))とよばれる。
*1) Barta G., De Hon R. (2014) Amphitheater-Headed Valley (Mars, Earth).
In: Encyclopedia of Planetary Landforms. Springer, New York, NY. https://doi.org/10.1007/978-1-4614-9213-9_327-1
*2) Barta G., De Hon R., Hargitai H. (2014) Sapping Valley. In: Encyclopedia of Planetary Landforms. Springer, New York, NY.
https://doi.org/10.1007/978-1-4614-9213-9_642-1
2001年3月7日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-8 31 57.82, -35 8 13.68 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 287°
PanoraGeo-No.514 🔍拡大