Vilcanota River Valley near Urcos City

ウルコス市付近のビルカノータ河谷

Vilcanota River Valley near Urcos City

randum


テーマ 41

アマゾンとアンデスを
結ぶ 大洋間横断道路

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 クスコへ向かう大洋間横断道路は、標高 4000m 台の波浪状のプーナの 高原を越え、ビルカノータ川の谷に下りて来た。大洋間横断道路はこのウルコス市郊外で 国道3号線(PE-3s)と合流する(地図参照)。 国道3号線はアンデス山脈の高所にある主要都市を結び、 ペルーの南端から北端まで縦貫する幹線道路である。言うなれば、大洋間横断道路は 「わき道」から「表通り」に出て来たという感じである。クスコまではあと 53㎞ と近い。 穏やかな山容の山々に囲まれたやや広い谷底をビルカノータ川が流れている。この川は、 この先、マチュピチュ付近の峡谷を流れるウルバンバ川、その先のウカヤリ川と名前を 変えながら流れ下り、アマゾン川に入る。
 この付近の谷底の標高は 3200m、ペルーの8つの自然地域(高度帯)ではケチュア帯である。 正面に見えるクーリ山(標高 4300m)の斜面には、ケチュア帯を象徴する段々畑や斜面畑がかなり高くまでひらかれている。 しかし谷底や中景の丘の斜面には緑もかなり目立つ。これは「わき道」沿いのマルカパタ町付近で見られたような原生の山地林ではなく、植林されたユーカリである。 ペルーアンデスでは、インカの時代には大切にされていた森林を、スペインの植民者たちはほぼ完全に消失させた。 ビルカノータ河谷では、19 世紀後半に小規模なユーカリの植林が始まるが、それが本格化したのは 1960~1970 年代である。 1969 年の農地改革で土地を得た小農のコミュニティーに、ペルー政府がユーカリの植林を奨励した結果である。 ユーカリの緑はケチュア帯「表通り」の近年における顕著な変貌の一端である。

参考文献:Luzar, J.(2007): The Political Ecology of a “Forest Transition”: Eucalyptus forestry in the Southern Peruvian Andes.
(https://ethnobotanyjournal.org/index.php/era/article/view/121/107)

2011年9月12日撮影  カメラの位置 (緯度,経度):-13 42 19.35, -71 35 47.36 (Google Map)  撮影方向:北から時計回り 318°

PanoraGeo-No.617     直前のページに戻る     BACK⏎  このテーマ 23/24  ⇒NEXT