Source of Tsukubasan Hot Spring in parking lots

観光地筑波山の弱み:温泉と駐車場

Weaknesses of Mt. Tsukuba as a tourist spot: Hot springs and parking lots

randum


テーマ 43

裾野も楽しい筑波山
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 観光資源に恵まれた筑波山にも悩みはある。その一つは温泉。東京からの日帰り客が主な筑波山ではあるが、できれば一泊してゆっくりして行ってもらいたい、というのが観光業者さんの願いだろう。 そのためには温泉が欲しい。有名な温泉はたいてい火山地帯にあるが、筑波山で火山的なのは裾野を引いた姿だけで、火山とは無関係。自然に温泉が湧く可能性はゼロに近い。 そこで地元の四つのホテルが協力して大深度ボーリングで温泉を求めた(2001年)。その結果、地下 1700m から泉温 27 ℃の弱アルカリ性単純泉が得られた。温泉法で決められた 25℃以上なので確かに温泉ではある。 この写真で、2020年に新装なった大御堂(おおみどう)の裏の小さな駐車場の隅に立つ緑のタンクは「筑波山温泉」(双神の湯)と呼ばれるこの温泉の泉源である。 近くのホテル一つ以外、お湯はタンクローリーで運ばれる*1)。 このほか、筑波山麓にはもう一つの泉源がある。1974 年に 1353m のボーリングで得られた「筑波温泉」で、泉温 37~42 ℃のアルカリ性単純泉である。水量が少なく一つのホテルが使う分しかないが、このホテルが筑波山麓で唯一の源泉かけ流し温泉宿である。
 もう一つの弱みは駐車場。筑波山神社やケーブルカー乗り場がある南麓緩斜面上部の筑波地区には、四つの市営駐車場(合計:普通車約 450 台、バス約 20 台)とこの写真のような小規模な民営駐車場が若干あるが、ハイシーズンの休日にはすぐに満杯になり、麓からの県道 42 号には駐車場待ちの車の長蛇の列。 ライバル?の高尾山のようにケーブルカー乗り場まで電車で行けるのとは違うので、筑波山は車で来る人が多い。しかし考えてみれば、高尾山ではケーブルカーに乗るのに2時間待ちなどということがある。 渋滞が起こる場所が違うだけのこと。人気観光地の宿命と諦めるべきかもしれない。

*1) 薮崎志穂ほか(2007):名水を訪ねて(77)筑波山の名水、地下水学会誌 49-2, p.164.

2022年11月25日撮影  カメラの位置 (緯度,経度):+36 12 48.04 +140 5 58.61 (Google Map)  撮影方向:北から時計回り 202°

PanoraGeo-No.651     直前のページに戻る     BACK⏎  このテーマ 25/26  ⇒NEXT